縁日は、子供の頃の懐かしい思い出に繋がる。
縁日とは、神仏に「縁のある日」の意で、数字やそこにゆかりのある干支などでその特別の日が決まっている。薬師さんは八日、虚空蔵菩薩は十三日、そして妙見さんは十五日、閻魔さんは十六日、観音さまは十八日と、またお地蔵さんは二十四日、お不動さんは二十八日等など、さらに干支に因なんで決まっている神仏には、寅の日の毘沙門天や午の日のお稲荷さん、あるいは庚申の青面金剛などがある。
縁日は、神仏だけでなく空海や菅原道真にもあり、二十一日は弘法さん、二十五日は天神さんの日である。
縁日に参詣すると特別のご利益があると言われている。
そのためこの日は、多くの参詣者がお参りするが、この人たちを目当てに参道や境内に市が立ち、それが我々子供には楽しかった。そして私は、大人になっても未だに東寺や四天王寺の弘法市をさまよい骨董をあさっている。
かって新町(河内長野市)の庚申堂でも縁日に市が立ったと伝えられているが、今はない。現在、河内長野市内で縁日に市が立つ日は、一月十日の長野神社の恵比寿さんしか知らない。しかしながら、境内に賑わいが無く市が立たなくても、地域の人々は御本尊を大切にお祀りしている。派手さはないが、地域の人々の仏に対する奥ゆかしい何かを感じる。
(横山 豊)