世界は、滅亡するか !! ?? 

世界は、滅亡するか ?? 
古代マヤ暦では、平成21年(‘12)12月21日は「世界滅亡の日」だと言われている。
しかしながらその22日、世界は何時ものように夜が明けた。
マヤ暦は、この日までしか刻されていないので、何時ともなくこの「21日で世界は滅亡する」などと言ったデマが吹聴されてきた。そしてこのデマを一番吹聴してきたのが、マスコミである。このような不安を煽る報道は、厳に慎むべきであり、その報道の仕方には、大いに問題がある。
マヤ暦には、「世界が滅亡する」とも、「終末を迎える」とも書かれていない。ただこの続きの暦が刻されていないだけである。
現在、我々が使っているカレンダーは、12月31日で終わる。しかし我々は、この31日に世界が滅亡すると考えるであろうか。そのようなことを考える人など誰もいない。
それにしても、どうしてこのような滅亡説や終末説が、とんでもない発想であると気が付かないのであろうか。そしてなぜマヤ暦だけを信じ、このようなことが起こると考えるのであろうか。
単に、マスコミがデマを報道し、不安を煽って視聴率を上げようとしていると、なぜ気付かないのであろうか、不可解である。
そして不安に踊らされ買占めや避難用のカプセルなどが求められている。このような事態を引き起こしたマスコミは、大いに反省すべきである。

昔から、このような「世界終末論」がある。
10数年ほど前にも、ノストラダムスの終末論があった。
「1999年の7の月、天から恐怖の大王が降ってくる」と言われるものである。そしてこの時も何事もなく、時は過ぎ去っていった。
元来、人々は、こういった終末説や人類滅亡説が好きなのであろうか。
古くは『旧約聖書』に描かれた「ノアの箱舟」の話、いわゆる洪水伝説があるが、この伝説は世界各地に広く分布している。そして日本には、天地が真っ暗になったと言う「天の岩戸」の話があるが、これは終末説や滅亡説ではなさそうである。
しかし日本でも、仏教の伝来と共に「末法の世界」が信じられていたこともある。
この考えは、時代と共に仏の教えが通用しなくなることを説いた所謂「仏教の衰退説」であり、天変地異などの滅亡説や終末説とは少し異なるが、これなども一種の終末説と言えるかも知れない。

それにしても現代でも、「太陽が爆発する」(可能性は50億年後)や「殺人小惑星が落下する」(そのような惑星は存在しない)などといった滅亡論がある。
我々は、もっと科学的に立証された説を信じるべきであり、マスコミも不要なデマを流して視聴者を煽動せず、もっと自重すべきである。
(御影 薫)