秘境・中井侍駅物語 !!     

最近、久しぶりにほのぼのと心温まる新聞記事を読んだ。
JR東海・飯田線は、愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅を結んでいるが、94駅のうち、73駅が無人駅だそうだ。そしてその一つに中井侍(なかいさむらい)駅がある。
この変わった地名の由来は、当地に中井姓の侍が住んでいたことによるらしい。
この長野県下伊那郡天龍村平岡の中井侍駅には、特急も快速も止まらず通過する。しかし当駅を利用する「たった一人の女子高校生の通学のために]3年間毎朝、快速列車が臨時停車したとのことである。そして卒業式の朝、車内にアナウンスが流れたそうだ。
「卒業、おめでとう。列車は明日から駅を通過しますが、これからも頑張ってください」と。

JRの何という配慮、そして女子高生への限りない支援。ここには、ただ人間愛のみがある。そしてこの女子高生のために臨時停車させようとした人たちの心配り。人はこうありたいものと思う。
何か特別なことをしようとすると、前例がない、上司の決済が取れない、組織を乱すなど、ややもするとヤラナイ理由を探すことが多いなか、素晴らしい判断、決断が行われた。
列車を臨時停車しようと具申した人、それを許可した人、実際に毎日列車を止めた人たち。卒業式の日にアナウンスした人。人間万歳!!
なお、当JRは、この事実関係が確認できないとのこと、また村も知らないとのことらしいが、詮索無用。噂だけで充分。これ以上、何を望もう!!
(長野 緑)