町で大きな御腹を抱えた妊産婦さんに出会ったが、この人こそ家族や周りの人たちに笑顔と幸せをもたらす布袋さまだと思った。
布袋さまは、弥勒菩薩の化身と言われ、七福神の一人である。
七福神には、日本生まれの恵比寿を初め、中国からやって来た福禄寿と寿老人に布袋、さらに天竺育ちの大黒天に毘沙門天(多聞天)と女神の弁財天がいて三国の神々が集まっている。
この中でも恵比寿さまは、豊作をもたらす田の神、大漁の神、さらに商売繁盛の神「えべっさん」としても絶大なる人気がある。また近くはビールをイメージさせる神として愛飲家に信仰されている。
河内長野市では、長野神社と烏帽子形八幡神社にそれぞれ祀られている。
鬼住・延命寺の毘沙門堂には、本尊の毘沙門天を初め大黒天や寿老人が、また弁財天は天見川と石川の合流する行者岩の上、あるいは太井、さらに観心寺にも祀られており、この琵琶を奏でる弁天さまは、我らカラオケ好きを祝福しているように感じられる。
なお河内長野市には、福と富と長寿を授ける福禄寿が鎮座していないが、この三つの福徳をすでに授かっている人たちが多いので祀られていないのであろうか。
ところで、筆者のようなメタボは、単に腹が大きいだけで布袋さまのような福々しさもなく、逆に周囲の人たちに病気ではと心配させている。妊産婦さんと同じように御腹が大きくてもその実態は似ても非なるものであることを日々、痛感している。
(野寄史郎)