山口県の柳井市に平郡島(へいぐんとう)と呼ばれる離島があります。
島の人口はわずかに400人余り。しかもそのうちの八割が65歳以上、20歳以下は小学一年生の女子児童一人しかいません。島に子供は、一人しかいないのです。
この島の名は、鎌倉時代、源頼朝に敗れた木曾義仲の子「平栗丸(へぐりまる)」が落ち延びて住み付いたとの伝承に由来しています。なお平栗丸は、平群丸とも平郡丸とも言われていますが・・・。
神奈川県から移住してきた家族に一人の女の子がいて、この子が平成24年(2012)4月、この島の小学校に入学することになりました。
しかし平郡東小学校は、平成15年(2003)3月に休校。3棟あった校舎も1棟しか残っていません。
そこで柳井市は、このたった一人の、唯一の児童のために老朽化した校舎の一部を取り壊し、教室二つと職員室を新築したのです。そして校長と教師1名も派遣。
こうして学校は、9年ぶりに開校されました。
学校の再開は、地元地域の活性化にもなりますが、「就業児童が一人でもいれば、再開は当然」と開校に踏み切った柳井市の判断、決断に心動かされます。
そして私は、ここに柳井市と日本の教育のすごさを感じます。
柳井市 万歳!! 日本の教育 万歳!!
(長野 緑)