ドウダン ツツジ 奥河内の延命寺に映える!!

導水路南海・三日市町駅から東に道を採る。道のそばには、いつも清流が流れているが、この清流は江戸時代に構築された三日市の井路である。
三日市宿では、西から北へ天見川が、また南には石見川が流れている。さらにこの三日市の井路によって東にも流れが作られ、三日市宿は環濠集落の中に設けられた宿場であった。
この森の中の清流の道を軽やかに歩むと、やがて延命寺に着く。
この寺の周辺には、古来より多くの薬草や薬樹が生えていたことから、当寺の山号は「薬樹山」と、また当寺を開山した淨厳和尚(じょうごん わじょう)の父が、医術の心得があったことからも命名されたと伝えられている。
導水路また寺号は参拝者の延命願望を叶える寺であって欲しいとの思いから命名されたようで、いずれにしても、当寺は「薬樹」と言い、「延命」と言い、命に関わる寺のようである。
この寺にドウダンツツジが咲く。
ドウダンツツジの「ドウダン」とは、「燈台」が訛ったと言われ、枝が三又状に枝分かれする様子が、昔、夜間の明かりに用いられた「結び燈台」や「燈明台」に、あるいは岬に立つ「燈台」の脚に似ていることから「とうだいツツジ」と呼ばれ、それがさらに変化して「ドウダンツツジ」になったとのことである。
なお、結び燈台とは、三本の丸い棒の一か所を紐などでくくり、棒の上下を開いて立てて、その上に油皿を置いて室内照明に使われたものである。
導水路このツツジの花は、白い壺形、あるいは釣鐘のような形をしており、枝から垂れ下がってたくさん咲き、その花姿は鈴蘭や馬酔木(あせび)にも似ている。
花が咲いている時も素晴らしいが、秋、真っ赤に紅葉した時も見事で、季節ごとに楽しめる樹木である。
なお、ドウダンツツジは、道路脇の植え込みや公園などにも、植えられているようであるが、当河内長野では未だ見たことがない。
西風狂散人(かわちのふうきょうさんじん)