中村一氏(上)国の史跡を築いた男
“国の史跡”を築いた男がいる。中村孫平次一氏(なかむら まごへいじ かずうじ)がその人である。そしてその史跡こそ“河内 烏帽子形城”である。 一氏の出自について諸説あり、詳らかでない。近江源氏佐々木氏 …
“国の史跡”を築いた男がいる。中村孫平次一氏(なかむら まごへいじ かずうじ)がその人である。そしてその史跡こそ“河内 烏帽子形城”である。 一氏の出自について諸説あり、詳らかでない。近江源氏佐々木氏 …
“世界かんがい施設遺産”がある。 世界で65ヶ所、そのうち日本では35ヶ所が認定・登録されているが、大阪府下では、狭山池(大阪狭山市)と久米田池(岸和田市)、そして平成30年(2018)、大和川分水築 …
「これは、ただ事でない」 とつぶやきながら、五兵衛(ごへえ)は家から出て来た。今の地震は別に烈しいという程のものではなかった。しかし、長いゆったりとしたゆれ方と、うなるような地鳴りとは、老いた五兵衛に …
“葉隠の花”を詠んだ歌は10首ほどあるようであるが、このうち“葉隠”と“恋”とを絡めて詠んだ歌は、数首しか知らない。そのうちでも西行が詠った“忍ぶ恋”の歌が私は最も好きである。 葉隠に 散りとどまれる …
南海・天見駅前から出合の辻を通り流谷に入ると、美しい渓谷が続く。“勧請縄掛け”で有名な流谷の八幡神社を過ぎ、流れに沿ってさらに進むと、視界が大きく開ける。そこに美しく整備された棚田が広がっている。 …
西高野街道が河内長野に入り、北坂を登って少し進むと松林寺に至る。 当寺は鎌倉期の僧・叡尊(えいぞん)が創建したと伝える真言律宗の古刹である。当寺の山門に釘隠し(くぎかくし)がしつらえている。 釘隠しは …
奥河内の名刹・三ヶ寺のうち、筆頭寺院は河合寺で観心寺と金剛寺がそれに続いた。しかし河合寺は衰退し、現在、河内長野での名刹は、延命寺と観心寺、金剛寺となっているようである。これらの河内長野の名刹でさまざ …
南海・三日市町から東に歩を進めると延命寺に至る。 当地はかって“鬼住”と言われていたように“鬼”にまつわる伝承が語り継がれ、そして当寺には、鬼を退治したと伝えられる弓矢も残されていて、おとぎ話の世界が …
南海・三日市町駅から南に下ると法憧山地蔵寺が建つ。通称、新町の庚申堂である。 有名な四天王寺の庚申さんは、摂津の国にある。しかし河内の国(一国)では、唯一この新町の庚申堂しかない(一宇)と言われ、ここ …
萩は日本の固有種で、また“萩”という字も国字として平安時代中期に編まれた『倭名類聚抄(わみょう るいじゅうしょう)』(931~38頃成立)にすでに登場する。 春の七草は、「芹、ナズナ、スズナ(カブ)、 …