河内長野を国道と府道が走っている。
国道170号線は、高槻市から枚方市、寝屋川市を通り、四条畷市、東大阪市、八尾市など生駒山の西を走り、その後羽曳野市、富田林市など金剛山地の西を抜け、河内長野市に入るが、ここからコースは西向きに採り泉佐野市に至る総延長142.1Kmの道で、大阪府の東側を縦断し、東高野街道と並びながら、あるいは重なりながら走っている道である。
一方、国道310号線は、堺市から大阪狭山市、河内長野市を東南方向に斜めに横切り、千早峠と大沢峠の中間・金剛トンネルを抜けて奈良県五條市に至る道であるが、総延長は、39.1Kmと短い。
しかし国道371号線は、河内長野市本町の七ツ辻を起点として紀見峠を越えて和歌山県に入り、橋本市、高野町、そして高野・龍神スカイラインの護摩壇山を越え龍神温泉を経由、串本町に至る総延長252.5Kmの長い長い道である。 なおこの道は、七ツ辻を出発してからほとんど全てと言っていいほど山の中を走りながら紀伊半島を縦断して行く。
ところで国道170号線には、多くの愛称が付けられている。
まず第一は、“外環(大阪外環状線)” あるいは“イナマル”、“イナゼロ”、そして東高野街道 や大津街道・河泉街道などがある。
また国道310号線は、「サン・トー(3と10)」線との愛称が付けられているが、金剛山の東の五條市に至る道なので“山東線”とも考えられる。
しかし河内長野を起点とする国道371号線には、未だ愛称が無い。寂しい限りである。河内長野を起点とするのであるから、何か良い名前、呼称を付けたいものである。
例えば、紀伊半島を縦断するように山の中を走っているので“山内(さんない・371)線”とでも呼ぼうか。それとも女性の名前を付けてみたいが、良い名が浮かばない。ちなみに当地の子供たちは、安全のため、左右を見ない(371)とダメ!! と言っているそうである。
そして府道では、次の5道が市内を走っている。
1:堺かつらぎ線《府道61号線》(堺市堺区~和歌山県伊都郡かつらぎ町
2:東坂三日市線《府道209号線》(千早赤阪村東阪~河内長野市三日市町)
3:河内長野千早城跡線《府道214号線》
(河内長野市西片添町~千早赤阪村大字千早)
4:大野天野線《府道217号線》
(大阪狭山市大野西~河内長野市天野町(国道170号線交差点
5:河内長野かつらぎ線《府道218号線》
(河内長野市錦町(川見の辻交差点)~和歌山県伊都郡かつらぎ町)
6:加賀田片添線《府道221号線》
(河内長野市加賀田1418番付近~河内長野市西片添町(国道170号線交差点))
さすがに府道となると、河内長野を起点や終点とする道が増えるが、加賀田片添線のように、起点・終点とも河内長野市内もある。
ところで国道は、「国道○○号線」と号線番号だけで呼ばれ、どこからどこまで走っているのか全く見当がつかない。そのため親しみが湧きにくいが、“外環”とか、“山東線”など周辺住民が勝手に愛称を付けているお陰でズイブンと親しみやすくなっている。これも住民のささやかな知恵であろうか。
しかし府道は、《○○線》と親しみ易い名前が最初から付けられているので、府道を号線番号で呼ぶことは少ない。しかも《○○□□線》と、起点の○○と終着地の□□が並べて付けられているので区間も判りやすい。いずれにしても国道や府道は、愛称で呼びたいものである。その方が言いやすいし、親しみも湧いてくる。
(筆者注)
(上)河内長野本町 七ツ辻
(中)道路標識(全体)
(下)道路標識(拡大)
R2・8・16 横山 豊